ID : 11167
公開日 : 2009年 5月19日
タイトル
植林先進地・川上村 人工林の巨樹
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新聞名
毎日新聞
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元URL.
http://mainichi.jp/area/nara/news/20090520ddlk29040478000c.html
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元urltop:
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写真:
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◇200年超え育てる吉野材
吉野川源流の川上村は、国内の植林先進地の一つ。杉を主体に現在も推定樹齢200年以上の林が育つ。原生林と異なり、人が用材にするために植えて育て、管理してきた。2世紀以上も風雪に耐えてきた老樹には、
手入れしてきた人々の苦労とともに風格が感じられる。所有者の了解を得て林内を撮影した。
下多古村有林は伐採計画があったため1994年、村が「歴史の証人」として保全しようと購入した。我が国最古の人工林の一つとみられ、推定樹齢390年の杉3本、250~290年の杉7本、250年のヒノキ43本がそび
え立つ。中でも最大の木は、胸高直径172センチ、高さ約53メートルの杉。390年前とは、豊臣氏が滅んだ大坂冬の陣(1614年)、夏の陣(1615年)のころだ。
吉野材は手をかけて育てられる。密植して間伐を繰り返し、木目が緻密(ちみつ)で間隔が等しい高級材になる。巨樹を前にすると、威厳、雄々しさに圧倒されるが、こんな木でないと実現できない日本家屋の美もある
。民有林は現在も伐採されている。木材資源の将来を考えると、木の魅力を知り、良い木を育て、大切に長く使う生活のあり方が必要ではないだろうか。