ID : 10784
公開日 : 2009年 3月 7日
タイトル
インタビュー・環境戦略を語る:キーコーヒー・柴田裕社長
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新聞名
毎日新聞
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元URL.
http://mainichi.jp/select/science/news/20090309ddm008020036000c.html
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元urltop:
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写真:
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農場に植林、森を守る
レギュラーコーヒー大手のキーコーヒーが、インドネシアの直営農場内での森林保護など環境保全に取り組んでいる。07年には、安全で信頼性が高いコーヒーを認定する世界的なプログラム「グッドインサイド」の認
証を受けた。柴田裕社長に環境への取り組みについて聞いた。【聞き手・田畑悦郎、写真・武市公孝】
--環境保全に積極的に取り組みを始めたきっかけは?
◆コーヒーは自然のめぐみ。自然のお陰で事業が成り立っている。コーヒーはほとんどを輸入に依存しており、生産国の生態系を壊さないようにしなくてはならない。インドネシアのスラウェシ島の高地で直営農場を長
年運営する中で、環境保全の大切さが分かってきた。
--直営農場ではどのような取り組みをしていますか。
◆530ヘクタールの農場のうちコーヒー栽培に使用しているのは約6割で、残りの4割は森林だ。農場より標高の低い地域で暮らす人々の水源を守るためで、植林などで森林率を維持している。コーヒーはハチによる
受粉、自然交配で実がなるため、さまざまな植物が共存し、多様性が保たれている方が、コーヒーの生育にもいいことが分かってきた。減農薬や有機栽培も取り入れている。
農場は1000~1200メートルの山岳地帯にあって、がけくずれが起きやすいが、日本の建設会社の協力で、農場内の道は江戸時代の日本で用いられた伝統的な舗装技術を導入しコンクリートを使わないようにしてい
る。
--現地化は進みましたか?
◆35年前に事業に着手し、現地スタッフには親の代から農場で働く2世も多い。若い日本人スタッフが教えられることもある。07年には環境保全や現地化の取り組みが認められ、「グッドインサイド」の認証を取得できた
。投資や取引の選択基準になるなど事業にとってもプラス面が多い。今後は協力農家にコーヒーの苗を無償提供し、技術指導しながら栽培をお願いする「集買事業」を進めていく方針だ。
--再利用やリサイクルの取り組みは?
◆コーヒーの焙煎(ばいせん)時に豆を包んでいる薄皮が大量にはがれ落ちる。これを家畜用の敷きわらに提供している。また、玩具メーカーのバンダイと協力し、薄皮を樹脂に混ぜて玩具の材料にし、昆虫フィギュア
やオセロ、自社の記念品に加工している。コーヒー豆を入れる麻袋はタイヤのクッション材や住宅の壁材に利用したり、福祉作業所との協力で、コースターにして記念品として配っている。
本社では紙コップを使わず、社員は「マイカップ」を持参。普段使っているマイカップとおつまみを持ち寄って、部署を超えた交流を進める「エコパーティー」も社内で実施した。フランクに話ができる雰囲気で、今後も
続けていく考えだ。
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■人物略歴
◇しばた・ゆたか
慶応大経卒、87年キーコーヒー入社。総合企画室課長として94年の上場プロジェクトに携わったのち、96年慶応大大学院MBA取得。02年から社長。横浜市出身、45歳。