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ID : 10746
公開日 : 2009年 3月 3日
タイトル
森林機能 政府基準や林経協新制度 生物の多様性保全、再評価
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新聞名
フジサンケイ ビジネスアイ
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元URL.
http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200903050021a.nwc
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元urltop:
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写真:
 
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国連が定めた「2010年生物多様性年」を控えて、森林が持つ機能を再評価する動きが強まっている。林野庁は、政府が生物多様性保全政策を推進する一環として、6月中旬までに森林における生物多様性 保全の推進策について報告書をまとめる。また、報告書は、森林の生物多様性保全に関する評価基準なども盛り込む。昨年末から「森林における生物多様性保全の推進策検討会」を設置して検討を開始した。
 同検討会では、林野庁のこれまでの取り組み状況、現状と課題などについて協議した。委員からは「水田や里山などの生物多様性保全はトンボやカエルが増えるなど分かりやすいが、森林保全と生物多様性維持との関 係は一般に分かりにくい」などの意見が出されており、社会への認知度向上が大きな課題となっている。
 そこで注目されるのは、日本林業経営者協会(林経協、東京都港区)が今月からスタートした森林認証制度「フォレストック認定」だ。
 同制度は、温室効果ガスの二酸化炭素(CO2)吸収量と森林に生息する生物の多様性保全レベルが一定基準以上の森林を認証する。「森林の生物多様性について、基準を策定して認証を行う試みは国内で初めて」( 林経協)という。
 林経協には、林業会社だけでなく、森林を保有している企業も会員として参加している。フォレストック認定の第1号として、林経協の会員である東京電力が尾瀬周辺の所有林で認定申請する見通しだ。森林認証機関 が現地調査を行って認証するため、東電の申請は春以降になると予想される。
 フォレストック認定を得た森林はCO2吸収量1トン当たり年間1000円のクレジットを発行でき、企業、団体、個人などに販売する。クレジット販売で得た資金は、間伐作業など森林整備に使われる。
 適正に管理された森林はCO2を吸収することから、森林保全は地球温暖化の抑制に役立つ。ただ、京都議定書で日本が2008~12年の期間中に削減義務を負う6%減(1990年比)のうち、3.8%分は森林吸収分と してすでに含まれている。このため、森林吸収量をクレジット化した排出量取引自体には、CO2削減の代替効果はない。
 しかし、林経協の速水亨会長は「企業は社会貢献活動としてクレジットを購入したことを環境報告書などに記載できる。また個人レベルで地球温暖化防止への関心を高めることにもつながる」と期待をにじませる。
 環境省が昨年11月に創設したカーボンオフセット認証「J-VER」制度でも、4月から、森林保全活動や植林についての申請受付が開始される見通しだ。
 地球温暖化対策と生物多様性の保全は今後、ますます密接度を深めそうだ。
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