ID : 10672
公開日 : 2009年 2月26日
タイトル
住田型林業にふれる 家造りシンポ参加者
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新聞名
東海新報
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元URL.
http://www.tohkaishimpo.com/scripts/index_main.cgi?mode=kiji_zoom&cd=nws4382
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元urltop:
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写真:
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宮城県仙台市のNPO法人スモリ(須森明理事長)による「山からの一貫体制による家造りシンポジウム」に参加する建築関係者らが二十五日、同シンポジウムの一環として住田町で「森林エコツアー」を実施。
地域林業活性化に向けた特色ある取り組みを見学し、「住田型林業システム」に理解を深めた。
スモリでは国産材活用による家づくりの支援事業を通じ、地域経済の活性化や雇用促進、職業訓練に寄与しようと活動。「山からの一貫体制による家造
り」は、林産地で製造したパネルを用いて住宅を超短工期で建設することにより、消費者に低コストで提供するとともに林産地の経済活性化も図ろうとの考え。
今回のシンポジウムは、これにかかる啓発事業が国土交通省の地域木造住宅市場活性化推進事業に採択されたのを受けて実施。初日が仙台市内での超短工期建築現場視察、二日目が住田町の生産現場を見学する「
森林エコツアー」として企画され、建築業関係者ら約六十人が参加した。
一行はバス二台で住田町入り。世田米のホテルグリーンベル高勘で町産業振興課から「森林林業日本一のまちづくり」の取り組みについて聞いたあと、下有住字新切地内での現場見学に出発した。
案内したのは、地元の農林業・水野哲太郎さん(72)と吉田正平さん(51)。水野さんは自ら植林し手入れするスギ林について話し、「木価はよかったころの三分の一ほどとなり、作業を外に頼めば儲けはなくなってしまう
。それでも住宅建築によい材料を提供したいと思い、自分で間伐し手入
れを続けている」と、山への思いを語った。
吉田さんは、カラマツやスギ、ヒノキなどの苗木生産をはじめ、森林認証を取得したスギ林の管理について説明。「木価はだいぶ落ち込み山は荒れがちだが、努力している山も見てもらい、その木で家を建てようとい
う気持ちが皆さんに生まれればすごくうれしい。少しでも山もとに還元される流れが出れば、再造林の力になるはず」と話していた。
一行はこのあと、超短工期建築を可能とするパネル生産を一体的に手がける世田米の木工団地や陸前高田市のけせんプレカット事業協同組合高田工場を見学。森林の造成から加工利用にいたるまで一貫した地域林
業活性化への取り組みについて理解を深めていた