ID : 10577
公開日 : 2009年 2月20日
タイトル
つらい季節到来 県民に多いスギ花粉症 /栃木
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新聞名
毎日新聞
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元URL.
http://mainichi.jp/area/tochigi/wide/news/20090219ddlk09040100000c.html
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元urltop:
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写真:
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花粉症の人にはつらい季節がやってきた。止まらない目やのどのかゆみ、くしゃみ、鼻水、鼻づまり……。ひどい場合はだるさも手伝って、日常会話はおろか仕事も手につかず、ほとほと困り果てる、という人も
多いだろう。飛散はすでに始まっているが、ピークを迎える春本番を前に、治療法や予防法、市販の関連商品などを取材した。【松谷譲二】
◆県民の4割がスギ花粉症?
花粉症はアレルギー性疾患の一種。花粉症になりやすい人の場合、花粉が体内に入ると、それを体が敵とみなし、抗体を作り出す。この抗体が花粉を攻撃する過程で、体の細胞がヒスタミンなどの化学伝達物質を放出
。それらの物質が、周囲の組織を刺激し、くしゃみや鼻水などの症状を引き起こす。
原因の植物は、スギやヒノキ、ブタクサなど60種以上に上るともいわれ、今のところ完治療法は確立されていない。
独協医科大(壬生町)の馬場広太郎名誉教授らが08年に行った調査によれば、栃木県民の約4割がスギ花粉症だという。栃木が他県に比べ特段、スギ林が多いというデータはなく、因果関係ははっきりしないが、都道府
県別では山梨、高知に次ぐ3番目の高い割合になるという。
◆処方代は月4000円ほど
予防法は専用マスクやゴーグルを着用したり、風の強い日は外出をしないなど、花粉を体内に取り入れないこと。だが、完全に防ぐことは難しい。
花粉症にかかった場合はどうすればいいか。自治医科大(下野市)耳鼻咽喉(いんこう)科の市村恵一教授によると、治療法は飲み薬、点鼻薬、目薬の3点セットが有効。最近の薬は、眠くなるなどの副作用もほとんどなく
、医療費3割負担の場合で、薬の処方代は1カ月4000円ほど(診察代は別途)という。
また、筋肉注射(ステロイド注射)による予防接種もある。だが、注射部位の皮膚が萎縮(いしゅく)したり、感染症にかかりやすく、女性では生理不順などのリスクも大きくなるため、市村教授は「あまり勧められない」と慎
重だ。
花粉症への効用をうたった食品も多いが、「治験データが少ないものが多い」と指摘する。ただ市村教授によると、ヨーグルトはいろいろな方面から効用が報告されつつあり、花粉症の症状を抑えるのに一定の効果が期
待されるという。
◆塗り薬やマスクが人気
カワチ薬品(本社・小山市)では、各店舗ごとに専用コーナーを設け始め、若松原店(宇都宮市北若松原1)では、マスクなど約180点をそろえる。
今年から入荷したのは、メガネの曇りが抑えられたり、口紅などが崩れない女性専用のマスク。その他、鼻の内部に製剤を塗るだけで症状を抑えられる、即効性タイプのものが人気という。「今年は暖かい日が続き、1
週間ほど早く品ぞろえしています」と木本利明店長。
◆花粉症対策メニューも
一方、カラオケ店では「花粉症対策」と銘打ったメニューも登場。県内で9店舗を展開するシダックス(本社・東京)は今月から3月いっぱいまで「ストロベリーラッシー」「銚子産かますの一夜干し」「柚子(ゆず)はちみつ
甜茶(てんちゃ)」「水菜と大根のじゃこサラダ」の4種を提供している。
魚に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)などはアレルギー症状緩和が、食物繊維は免疫機能の正常化が期待されるという。2年前からメニューを出し始め、この他、社員食堂など県内15カ所でも別メニューを提供する
。「即効性はありませんが好評です」(同社)
いろいろ試し、自分に合う薬や対策グッズなどを早く見つけることが、この季節を快適に乗り切るコツかもしれない。
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