ID : 10553
公開日 : 2009年 2月18日
タイトル
カートカン、注目集める…間伐材を使った紙製飲料容器
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新聞名
MSN産経ニュース
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元URL.
http://sankei.jp.msn.com/life/lifestyle/090219/sty0902190811003-n1.htm
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写真:
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ヨーロッパ生まれの紙製飲料容器「カートカン」がスーパーマーケットなどの店頭に増えてきた。原料にスギやヒノキの間伐材など国産材を使用し、飲み終えると牛乳パックのようにリサイクルできるのが特徴
だ。飲むことで日本の森林保全に貢献できる商品として、にわかに注目を集めている。(中曽根聖子)
カートカンという名称は、紙の包装を意味する「カートン」と金属缶の「カン」を合わせた造語だ。原料には、人工林を間引きする際の間伐材や、製材所で材木を切った後に残る端材(はざい)を含む国産材を3割以上使
用している。また、内側にアルミ箔(はく)を使う従来の紙パックよりもリサイクルが簡単で、牛乳パックと同様にトイレットペーパーなどに再生できるという。
カートカンの普及を推進する「森を育(はぐく)む紙製飲料容器普及協議会」の世木田大介さんは「国内の間伐材を有効に活用することで、二酸化炭素を吸収する元気な森が育ち、地球温暖化防止にもつながる」と説明
する。現在は全国約50の飲料メーカーが、コーヒーや果汁飲料など約150種類を発売している。
平成8年、国内メーカーで初めてカートカンを採用したポッカコーポレーション(名古屋市)では、コーヒーや緑茶、野菜系飲料など約15種類をそろえる。さらに、間伐材シートを張りつけたラッピング自動販売機を開
発するなど普及に力を入れている。同社カートカン事業推進グループの樽谷俊彦係長は「10年以上販売を続け、ようやく消費者に認知されるようになった。環境問題への関心が高まったここ数年は、自治体や企業から
の問い合わせが増えている」と話す。
また、カートカンの売り上げ金の一部は、国土緑化推進機構の「緑の募金」に寄付され、植林活動などを行うボランティア団体やNPOの支援にも使われている。