ID : 10516
公開日 : 2009年 2月16日
タイトル
木質ペレット工場建設、利用拡大目指す
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新聞名
北日本放送
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元URL.
http://www2.knb.ne.jp/news/20090216_18974.htm
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元urltop:
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写真:
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富山市は、森林の間伐材から作る固形燃料の木質ペレットを市内で生産することを目指しています。
木質ペレットの利用拡大に向けた取り組みと、課題についてお伝えします。
去年12月、富山市ファミリーパークの自然体験センターに、新しいストーブが設置されました。
ファミリーパーク小杉潤さんは「ここにペレットを入れる、ところがあります。ちょっとこうならしていって・・・」
燃料は「木質ペレット」です。
木を細かく砕いて圧縮したもので、灯油などに比べて環境に優しいと今、全国的に注目を集めています。
訪れた人たちの評判も上々です。
小杉さんは「これはやんわりと温かくて、この火を見るだけでも、すごくこころが和らぐといいますか、自然とここでみんなが集まってお話したり、本を読んだり、お弁当食べたりしてくれる。非常に構造は単純ですので、誰
でも使えます。」
この木質ペレットは、実験的に、富山市内の木を原料として作られています。
富山市八尾町の婦負森林組合では住宅の柱などを加工しています。
ここには近くの山から切り出した間伐材も集められてきます。
婦負森林組合木材加工センター飯島靖人所長は「見て分かるように曲がったりしていて、建築材料として全く使えないようなものを今、ペレットなんかに利用できればなあと思っております。」
間伐材は他の木を太く育てるために間引きした木で、使い道が限られ、あまり利用が進んでいません。
飯島所長は「これも建築資材なんですけれども、それをコワリしたくず、例えばこういうようなくずも、ペレットになります。」
婦負森林組合では去年3月から12月までに木質ペレットに加工できるような木のくずが200トン、間伐材も300トン集まりました。
「富山市はこうした木のくずなどを市内で加工して木質ペレットを生産することを検討しています。」
現在、県内には木質ペレットの生産工場がなく、新潟県で加工してもらっています。
しかし輸送コストがかかることなどから、富山市は市内に木質ペレットの加工工場を建設し、利用拡大を目指すとしています。
富山市環境政策課、幅一芳課長は「せっかく自然の、森林バイオマスがたくさんある地域ですから、それを使った街づくりを展開していきたいとは思っていますが、なかなかペレットの製造にはですね、大きなお金がかか
ります。」
工場の建設には最低でも1億円が必要とされていて、市は国が初期投資を全額補助する環境モデル都市向けの財政支援を活用したい考えです。
補助金が出れば新年度中にも生産を開始したいとしています。
しかし・・・幅課長は「ペレットストーブについてはほとんど富山市内では普及していません。できたペレットをですね、利用していただくためのですね、そういった色々な課題を今後クリアしていかなくちゃならないと思っ
ています。」
木質ペレットをストーブに使うと、燃料代は、灯油よりも少し高くなります。
またストーブも設置費込みでおよそ50万円。
現在県内で稼動しているのは50台から60台程度にとどまっています。
富山市は公共施設から一般住宅へと使用を広めたい考えですが、そのためにはストーブの値下げや、利用拡大のための行政の補助など、課題はまだ多いといえます。