ID : 10423
公開日 : 2009年 2月 4日
タイトル
イチイガシ、白浜町十九渕に群生地 専門家「貴重な存在」
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新聞名
紀伊民報
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元URL.
http://www.agara.co.jp/modules/dailynews/article.php?storyid=161776
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元urltop:
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写真:
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白浜町十九渕の林道沿いの雑木地に、幹周りが3メートルを超す大木のまじったイチイガシが小規模ながら群生していることが、町内の語り部団体「大辺路富田坂クラブ」の指摘で分かった。イチイガシの大
木は紀南地方では神社の境内などでたまに見られるが、身近な所で群生が確認されている例は少ない。クラブの脇本敏功代表は「群生している所は町有地だと聞くので、町文化財にして保全してほしい」と話している。
場所は、高瀬川の上流約5キロにある水くみ場「瑠璃光霊泉」から河口側に400メートルほど戻った所。林道と高瀬川が隣接して並行する延長約30メートルの区域に、大小のイチイガシがたくさん生育している。
脇本さんによると、このうち大木は7本あり、一番太いのは幹周りが3・4メートル、他の6本も2メートルを超す。高さは測定していないが、20メートル近いのもあるという。周辺には直径20、30センチや、さらに細いのも
茂っている。
群生地に「享和3(1803)年」の刻銘がある如意輪観音を祭ったほこらがある。「ぐるりは植林山に姿を変えたが、この狭い空間だけは神域として残ったのだと思う」と脇本さんは話す。
イチイガシはブナ科の常緑高木。照葉樹林が特徴の紀南地方では一般的な樹木だった。しかし、材質が堅く木目がきれいで、植林が進んだ際、ほとんど伐採された。現存する大木は、わずかに神社や寺院の境内で保
全されている場合が大半となっている。
照葉樹林の森復活を目指す熊野の森ネットワーク「いちいがしの会」の玉井済夫副会長は「幹周りが3メートルを超し立派な大木だ。幼木が育っているというのも意味がある。小規模ながらいまとなっては貴重な群生地
なので、これまで残されてきた地域の文化とともにぜひ後世へと継承していってほしい」と話している。
白浜町教育委員会は「詳しく調べ、町文化財保護審議会とも協議して保全方法を考えたい」としている。
同町には八幡神社(同町安宅)に樹齢350年、樹囲4メートル、高さ18メートルのイチイガシ1本があり、県の天然記念物になっている。
脇本会長は「よく遊びに行ったので、大木があったのは小さいころから知っていた。しかし、大木や群生地が貴重な存在といわれるようになったのを知ったのはつい数年前のこと。クラブで富田の天然記念物と銘打った
写真展を開くことも考え、存在を広めていきたい」と話している。