「森の町内会」と名付けた間伐促進の新たな仕組みは、間伐材を配合した再生印刷用紙を、趣旨に賛同する企業が継続的に購入することで、環境への貢献につなげる。
間伐コストが加わり割高になるが、共同購入でコストアップを抑える。カタログやリーフレット、会社案内などに使用し、NPOから共同購入に参加した企業に証書が発行される。
地元の林業関係者は間伐の時期や場所、面積などの情報を提供し、NPOは共同購入の組織化と認証活動の役割を担う。参加企業は、間伐材の売却代や補助金だけではまかなえない間伐・輸送費用の不足分を負 担する。
オフィス町内会は、事業所の古紙を都心の企業が共同でリサイクルする事業を展開。会員企業は1000社を超え、2005年度は年間7387トンの古紙回収の実績を上げた。
新たな取り組みとして今回、森の健全性を回復させる原動力となる間伐に着目。オフィスで継続的に使用できる紙生産を計画した。適切に管理された森林を認定する国際民間団体・森林管理協議会(FSC、本部ド イツ)の認証に取り組むなど積極的な森林政策を行っている岩泉町と提携し事業展開を決めた。
現在は間伐紙を無償提供する試用キャンペーンを実施中で、大手企業の東京電力、第一製薬、パレスホテル、モスフードサービス、アサヒビール、東芝が参加している。
昨年12月から今年1月にかけ、同町小本地区のアカマツ0・9ヘクタールを間伐、間伐材チップ18トンを八戸市内の製紙工場で用紙にした。A4判32ページの冊子で約18万部に相当する。間伐や輸送の費用は53 万9000円。補助金と間伐材の売却代は合わせて30万1000円で、この差額を参加企業が負担する。
アカマツは上質な紙の原料に適しており、9万2653ヘクタールの森林を有する同町の樹種別森林面積で約20%を占める。同町は当面、民有林を対象として「森の町内会」の趣旨を説明し、町内の協力者を募る。
伊達勝身町長は「間伐材は捨てるだけになっており、紙として有効活用できることは大