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ID : 10231
公開日 : 2009年 1月22日
タイトル
リグニンからエポキシ樹脂の3倍の強度をもつ接着剤を開発
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新聞名
日本経済新聞
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元URL.
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=210261&lindID=4
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元urltop:
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写真:
 
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リグニンからエポキシ樹脂の3倍の強度をもつ接着剤を開発 -処理が困難だった林地残材などの有効活用に道筋- ●ポイント
 ・木の成分の30%を占めながら、資源としてあまり利用されていないリグニンを原料として、金属同士の接着に効果的な高機能接着剤(一般のエポキシ接着剤の3倍の接着強度)を製造することに成功しました。
 ・林地残材や製茶工場で発生するお茶ガラなどの様々なバイオマスの有効利用手段として期待されます。 ■概要
 独立行政法人森林総合研究所は東京農工大学、長岡技術科学大学と共同で木材に含まれるリグニンを原料として作られる有用化合物:2-ピロン-4,6-ジカルボン酸(PDC)を重縮合することにより、金属同士の接 着に効果的な接着性能(一般のエポキシ接着剤の3倍の接着強度)を有する高機能接着剤を製造することに成功しました。
 木質バイオマス中の約30%を占める成分であるリグニンは、製紙工場等で燃料として利用されている以外はほとんど利用されておらず、有効利用技術の開発が強く期待されている化合物です。本研究の成果は、リグ ニンの高付加価値なマテリアル利用を進展させるものであり、林地残材(約860万m3)のみならず、製茶工場で発生するお茶ガラなどの様々なバイオマスの有効利用手段として、期待されます。
 予算:農林水産省委託プロジェクト「地域活性化のためのバイオマス利用技術の開発(H19-23)」

■背景
 バイオマス(再生可能な生物由来の有機性資源)は、大気中のCO2を植物が光合成によって固定したものであり、その利用によってCO2が発生しても大気中のCO2は増加せず、環境にやさしい資源といえます。木質 バイオマスの主体は細胞壁成分で、約40%のセルロース、約20~30%のヘミセルロース、約20~35%のリグニンで構成されています。この中でセルロースやヘミセルロースは、紙・パルプの原料や甘味料・医薬品 などに利用されていますが、リグニンについては、製紙工場で自家発電用燃料として利用される以外は、ほとんどが廃棄され、有効利用の技術が確立されていません。
■経緯
 森林総合研究所は、東京農工大学の重原淳孝教授、片山義博教授、長岡技術科学大学の政井英司准教授とともに研究グループを組み、未利用バイオマス資源としてのリグニンを、遺伝子工学技術を適用することで、 安定した中間体である2-ピロン-4,6-ジカルボン酸(PDC)(用語解説参照)に変換する道筋を確立してきました(図1)。今回、得られたPDCをポリマー化(化学反応によって重合させること)することにより、金属同 士の接着に効果的な高性能接着剤を製造することに成功しました。
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