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ID : 10181
公開日 : 2009年 1月16日
タイトル
廃材ペレット燃料 農林業で活用 日田で産学官 試験開始 2年間 CO2、コスト削減期待
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新聞名
西日本新聞
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元URL.
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/71523
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元urltop:
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写真:
  写真が掲載されていました
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日田産木材の樹皮(バーク)などからつくる木質ペレットを、従来の重油に代わる燃料として農林業用ボイラーに使う実証試験が日田市内の農家で始まっている。地域の豊富な森林資源を活用できる上、環境 にも優しく、生産コストの削減効果も期待される。2年間の試験結果を基に検討を重ね、農林業分野での普及を目指している。
 取り組んでいるのは、日田市や機械メーカー、日田市森林組合、大分大学など産学官でつくる「地域資源利活用研究会」。県の公募型事業で、本年度予算は360万円。ビニールハウスの加温や木材乾燥、椎茸(しいた け)乾燥などにペレット式ボイラーを使い、燃焼効率や性能を検証する。
 ペレットは、廃材を原料としていることや、近年の原油価格高騰に対抗するコスト削減の観点から注目されている。木材は生育過程で二酸化炭素(CO2)を吸収するため、燃やしてもCO2量は不変とする「カーボンニ ュートラル」の考え方が認められており、化石燃料に比べて大幅な温室効果ガス削減も期待できる。
 バークペレットの販売価格は1キロあたり25円、重油が1リットルあたり76円(12月の全国平均価格)。ペレット1キロの発熱量は重油1リットルの4割程度のため、1キロカロリー当たりの単価はペレットが6円、重油が8. 1円となり、試算では燃料費が4分の3程度に抑えられる見込みだという。
 試験は昨年12月、同市天瀬町五馬市の梶原行治さん(43)がトマトを栽培するハウス(1000平方メートル)で開始した。3カ月間、午後5時から翌午前9時までペレット式ボイラーでハウスを加温し、燃料費や作業の手 間、生育状況などを比較する。
 梶原さんは「トマトの生育には影響なさそう。ただ、毎日のペレット投入や灰の掃除の手間が予想以上に大変だ。重油が1リットル120円位まで高騰すれば利用したいが、現状ではまだ改善点が多いと思う」と話す。
 本年度中に市内の木工所で木材の低温乾燥試験を実施し、来冬に椎茸乾燥施設、家庭用暖房でも実証試験を行う予定だ。今後は、本体価格が重油式の2‐3倍という設備投資の負担の大きさが課題。市内に製造工場が あるため輸送コストが安く済むペレットの良さを生かし、配送経路を確立していく必要もある。
 市林業・木材産業振興課の佐藤昌治企画流通係長は「全国に先駆けて取り組むことで環境都市日田を全国に発信するチャンス。試験の結果をよく検証し、豊富な木材資源を今後エネルギーとしてどのように活用できる か考えていきたい」と話している。
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