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ID : 10036
公開日 : 2009年 1月 6日
タイトル
森の国で生きる:/3 CoC認証製品の普及 
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新聞名
毎日新聞
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元URL.
http://mainichi.jp/area/yamanashi/news/20090105ddlk19040027000c.html
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元urltop:
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写真:
 
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木材利用に根強い誤解
 「FSC原木置場」--山梨市南の製材会社「飯島製材所」の木材置き場の一角に、青地に白色の文字でそう記されたプレートが掲げられ、その下に県有林材であるカラマツの丸太(間伐材)が積まれていた。
 同社は04年8月、県内の造林会社や製材会社と計4社でグループ「KaI Forestry Group」を結成、CoC認証を取得した。
 CoC(Chain of Custody=一連の管理)認証とはFSC(森林管理協議会)認証の一部で、生産・加工・流通部門に対する認証だ。CoC認証業者はFSC認証材を使った製品にFSCのロゴマークを付けて売ることができ る。
 「うちのような小さな製材所にとって“環境”というキーワードが戦略の一つになると思ったんです」。CoC認証取得の理由について、飯島製材所の3代目、飯島省二さん(37)はそう話す。
 同社が1年間に使用する3000立方メートルの木材のうち、約半分がFSC認証取得の県有林材だ。フォークリフトで運ぶ荷物のための台座(パレット)などを製造・販売している。
 県内でCoC認証を取得しているのは、飯島さんらのグループを含めて現在11団体。しかし、県が狙ったように県有林材の利用拡大や付加価値を高めることには今のところ、つながっていないのが現状だ。FSC認証取 得に携わった県森林環境総務課の金子景一副主幹(47)は「FSCのことを知る人が少なすぎる」と嘆く。県も販売促進用にロゴマーク付きのコースターを作り、イベントなどで配っているが、効果は薄い。
 飯島製材所もFSC認証材で作った製品のほとんどにFSCのロゴを付けて販売している。しかし、売り上げにはほとんど影響がないという。それでも飯島さんがCoC認証に取り組み続けるのには理由がある。林業やFS Cについて「もっと多くの人に知ってもらいたい」と思うからだ。
 それは、環境意識が高いとされる取引先企業の誤解がきっかけだった。担当者は飯島さんにこう言った。
 「パレットのような消耗品を、わざわざ木を切って作る必要があるんですか。プラスチックやアルミの方がリサイクルできて環境に良いと思うのですが」
 パレットの原材はFSC認証に基づいて管理された森林の間伐材だ。「人工林は時期が来たら切り出さなくてはならない。それなのに、木を切ることがすべて環境に悪いというイメージは根強いんですよね」と飯島さんは ため息をつく。
 パレットは販売先が固定されているため、FSCの認知度向上には限度がある。そこで飯島さんが目を付けたのが山梨の誇る名産品、ワインだった。ワイン関連の製品なら不特定多数の目に触れるのではないか--。
 最近、県内外から一般の参加者を募り、ブドウ畑やワイナリーを巡る「ワインツーリズム」の人気が高まっている。単に消費するだけではなく、ワインがどのように生産されているのかということへの関心が高まり、それ を知ることが人々の楽しみになりつつある。「ワインを入れる箱も、バックグラウンドをはっきりさせれば人気が出るのではないか」。飯島さんはそう感じたという。
 飯島製材所が製造しているのは、3本入りの木箱で、注文生産。もちろんFSCのロゴマーク付きだ。現在、数カ所のワイナリーが取り扱いを検討している。
 飯島さんは「県有林がFSC認証を継続していく限り、FSC製品を作り続けていきます」と話す。
 FSC認証普及への取り組みは、ゆっくりではあるが、少しずつ進み始めている。=つづく
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