ID : 10033
公開日 : 2009年 1月 6日
タイトル
林業技術指導で仮出所者の就労支援、法務省が施設設置へ
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新聞名
読売新聞
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元URL.
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090106-OYT1T00056.htm?from=main1
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元urltop:
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写真:
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法務省は、刑務所からの仮出所者を受け入れる更生保護施設を山林のある自治体に作り、就労支援のために林業の技術を身につけさせていく方針を固めた。
都市部では住民の反対で更生保護施設の新設が難航しているが、荒れている山林を抱えている自治体は伐採の人手不足に悩んでいるため、施設が受け入れられやすいメリットがある。早ければ来年度中に施設整備
に着手したい考えだ。
間伐などを行う働き手が過疎化と高齢化で不足している自治体で、廃校などの空いた公共施設を利用し、仮出所者20人程度の一時的な住まいになる更生保護施設を開設する。保護施設については民営、国営両方の
設置を検討している。
施設では、地元の林業従事者が入所者の指導に当たり、実際に間伐などを行うほか、地元住民からの要望があれば草刈りも請け負う。仮出所期間を終えた入所者に対しては、技術を生かせる職に就けるよう、施設側が
地元の森林組合などと連携しながら就労先のあっせんも行う。
同省によると、一昨年、仮出所などに伴う保護観察期間を終えた約4万5000人のうち、終了段階で無職だった人は8561人。施設で生活しながら技術を身につけられる今回の計画への期待は大きい。同省は現在、東
海地方の自治体と新設に向けた協議を進めている。
仮出所者の生活基盤作りを支援する更生保護施設を巡っては、同省が福島市や福岡市などで国営の「自立更生促進センター」の開設方針を打ち出したが、「学校に近く、子供たちの安全が心配」といった反発が根強く、
協議は難航している。これに対し、入所者が林業に従事する施設なら、「過疎に悩む山村などの役に立てるとアピールでき、スムーズに開設できる可能性がある」(法務省幹部)という。
国勢調査によると、1995年に約8万5000人だった林業の就業人口は2005年には約4万7000人にまで減少。後継者不足に頭を痛める林野庁は現在、林業の担い手育成事業を推進していて、法務省は、就職先の
開拓などについて林野庁の協力も求めていく。