ID : 10003
公開日 : 2009年 1月 1日
タイトル
人気沸騰需要17万本 道産マツ新品種「クリーンラーチ」 苗木供給 追いつかず
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新聞名
北海道新聞
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元URL.
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/environment/138065.html
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元urltop:
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写真:
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道が七月の北海道洞爺湖サミットに合わせて開発した道産マツの新品種「クリーンラーチ」の植林希望が相次ぎ、二〇一〇年秋から供給予定の苗木の生産が追いつかない状態になっている。道内で最も多く
植林されているカラマツより成長が早く、製材に適しているためで、希望は苗木の年間生産予定量の五倍を超えている。
クリーンラーチは道立林業試験場(美唄市)がグイマツとカラマツを交配して開発。カラマツに比べ二酸化炭素(CO2)を二割多く吸収し、温暖化防止にも役立つとされ、北海道洞爺湖サミットでは首脳による記念植樹
が行われた。道は、道内で植林されている年間二千万本(〇七年度)の樹木の約四割を占めるカラマツの一部をクリーンラーチに置き換え、道内森林の二酸化炭素吸収量の底上げを目指している。
道が造林業者や森林組合、森林所有者に希望を募ったところ、一〇、一一年分ともそれぞれ約十七万本が集まった。これに対し、現状では種子を生産できる母樹が網走管内訓子府町の百九十五本しかなく、苗木の生産
は年間最大三万二千本が限界だ。道は種子の生産増を急ぐ方針だが、母樹育成には時間がかかり、実現は一三年以降の見通しだ。
道水産林務部はクリーンラーチが人気を集めている理由について、カラマツは伐採まで三十年はかかるのに対し、クリーンラーチは二十五年程度で済む利点が大きいと分析。「木がまっすぐに伸びて製材にしやすく、
強度もカラマツより高い」ことも挙げる。
クリーンラーチの苗木は、カラマツの二倍近い一本百三十五円の予定だが、十勝管内足寄町で約四十ヘクタールの森林を所有する加藤勝典さん(66)は「環境に貢献できるし、野ネズミの食害にも強い。多少高くても
導入する価値がある」と言う。
千本を希望している三井物産フォレスト平取山林事務所(日高管内平取町)の林恭弘所長(43)は「種子の生産が軌道に乗れば、カラマツの代わりに植林するケースが増えるのではないか」と話している。