ID : 9760
公開日 : 2008年 12月 5日
タイトル
新たな排出削減、森林保全に注目 温暖化防止COP14 ポズナニ会議
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新聞名
京都新聞
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元URL.
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2008120700027&genre=H1&area=K00
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元urltop:
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写真:
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開催中の気候変動枠組条約第14回締約国会議(COP14)で、途上国の森林減少や森林劣化の防止を排出削減策として扱う議題が集中討議されている。
森林破壊で放出される二酸化炭素(CO2)は石油などから排出されるCO2量の20%に相当するとされており、京都議定書に続く2013年以降の協定では森林破壊と劣化の防止策がどのような形で盛り込まれるかどう
かが注目される。
京都議定書では、先進国が途上国で植林を行うと排出削減と換算されるが、森林の維持、管理は排出削減とカウントされない。しかし最新の研究で、CO2を吸収、貯蔵する森林を守ることは、省エネ以上に温暖化対策
として効果があるといった報告が相次ぎ、昨年のCOP13で重要議題として取り扱うことが決まった。
この提案はもともとパプアニューギニアやインドネシア、ブラジルなど、アジアやアフリカ、中南米で豊富な熱帯雨林を抱える国が提案。木材の違法伐採を防ぎ森林を保全するための資金を得るシステムとして期待して
いる側面が強い。一方で、保全を排出削減としてどう換算するかといった技術的な側面や森林保全にかかわる人材育成など課題も多く、交渉課題となっている。
こうした中、COP14会場では国連環境計画(UNEP)や国際森林研究センター(CIFOR)などが関連の最新研究の公表やワークショップを開催。交渉進展の機運を高める結果になっている。UNEPは、熱帯雨林を健
全に保つことはCO2の貯留と生物多様性の2つの面で効果があると指摘し、地球上のどの地域かが一目で分かる地図を公表して森林保全の必要性を多面的に強調した。インドネシアに本部があるCIFORは熱帯雨林の
保全が先住民の貧困解消にもつながるなどと指摘した。