ID : 9203
公開日 : 2008年 10月29日
タイトル
紀州間伐材で新工法
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新聞名
読売新聞
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元URL.
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/wakayama/news/20081028-OYT8T00704.htm
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元urltop:
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写真:
木材業界の記事です
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県産の木材(紀州材)を活用した新工法「木造ブロック積層工法」の第1号の建物が、東大駒場リサーチキャンパス(東京都目黒区)に完成した。「東京大学くうかん実験所」と名付けられ、今後、耐久性などを検
証する。工費の約半額を補助した県は、紀州材の首都圏でのブランドイメージ向上に期待している。
県は8月、首都圏で紀州材をPRする事業を公募。建築家の平沼孝啓さんと東大生産技術研究所の腰原幹雄准教授らが、共同研究で同工法の実践を進めるプランを提案し、採用された。
同工法では、間伐材などを整形して組み合わせ、ボルトで固定して建物を完成させる。比較的小さな木でも使え、大きな木材と違って、狭い場所でも、建材の搬入や施工が容易に出来ることがメリット。今回の研究では
、材料に紀州材の間伐材を使用した。9月3日に着工し、10月20日に完成。総工費約2000万円という。
床面積47平方メートルの平屋で、32立方メートルの紀州材を使用。壁や天井にはガラスをはめ込み、光を多く取り込めるデザインになっている。今後、風雨の影響など、経過観測の実証実験施設として使われるだけ
でなく、紀州材のPR、学生らの憩いの場としても活用される。11月19日には、完成記念シンポジウムを大学内で開き、紀州材の生産者らが基調講演も行う。
腰原准教授は「間伐材のような細かい材料も建物に使うことが出来る。紀州材は木目がきれいで、木造らしい雰囲気の建物に仕上がった」と話し、仁坂知事は「この工法には木材の強度が必要で、紀州材はぴったり。紀
州林業の最大の課題は、間伐材をいかに商業化するかで、実用化されれば効果が大きい」と期待した。