ID : 9087
公開日 : 2008年 10月10日
タイトル
広葉樹で防災へ 伊那市諏訪形区が植樹へ向け育苗
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新聞名
長野日報
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元URL.
http://www.nagano-np.co.jp/modules/news/article.php?storyid=12168
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元urltop:
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写真:
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平成18年7月豪雨で被災した伊那市西春近諏訪形区は、災害に強い里山づくりを目指し、根を深く張り、防災に効果があるとされる広葉樹の植樹に乗り出す。手始めにコナラとクヌギの苗木を育てることから
取り掛かることにし、12日、地元の畑にドングリをまく。関係者は「大きく成長するまでには何年も掛かるが、まずは一歩を踏み出したい」と話している。
諏訪形区は7月豪雨の際、区内の沢で大規模な土砂の流出があり、広域農道が通行止めになったり、床下浸水など被害が出た。同区にとっては1983年、99年に次いで3度目の水害となり、「4度目の災害を起こしてはな
らない」との強い思いで住民自ら復旧や対策に取り組んでいる。
こうした中、豪雨時に災害をもたらした沢「釜が洞」上流一帯で県が森林税を活用し、針葉樹林の間伐事業を今年度実施することになった。そこで、災害に強い山づくりに住民も何か協力できないかと「諏訪形区を災害
から守る委員会」で検討し、沢沿いに広葉樹を植える事業を計画した。
事業を提案した副委員長の酒井卓実さんは、沢沿いの地質は砂地のため崩れやすく、広葉樹を植えれば強化される-とみる。酒井さんらは9月中旬から地元の里山でドングリを拾い、約1000個を集めた。県林業総合セ
ンター(塩尻市)も訪ねて育苗の指導も受けた。
区民の協力で中央道西側に畑を借り、そこで苗木を育てる。2、3年経つと高さ約50センチの植樹に適した大きさに成長するといい、釜が洞だけでなく南側の貝付沢にも植樹していきたい考え。
酒井さんは「えん堤を造るより安く、簡単にできる取り組み。何十年も掛かるが、黙って見ていても、山の現状は変わらない。まずは自分たちで取り組み、継続していくことが必要だと思う」と話している。
作業は午前9時から地域住民で行うが、酒井さんは「広葉樹を植える取り組みが広がってほしい」とし、関心のある人の参加も歓迎している。
問い合わせは酒井さん(電話0265・78・7248)へ。