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ID : 7638
公開日 : 2008年 5月15日
タイトル
6%削減義務 森林は日本の生命線だ
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新聞名
中日新聞
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元URL.
http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2008051502011350.html
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元urltop:
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写真:
 
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「わが国は、世界有数の森林国で…」。林業白書の決まり文句だ。京都議定書の約束期間は、この豊富な未利用資源の潜在力を引き出す好機。森林は「宝の山」だ。持ち腐れにしてはならない。
 北海道洞爺湖サミットで主要なテーマになる京都議定書の中で「森林」は重要な位置を占めている。日本が二〇一二年までに課せられた温室効果ガスの削減義務は一九九〇年比で6%。うち3・8%を森林吸収で賄う計 画だ。
 〇一年に定められた京都議定書の運用ルール(マラケシュ合意)で、九〇年以降の新たな植林による吸収量以外にも、間伐など「適切な管理」が施されていれば、吸収源として認められることになり、間伐の重要性がク ローズアップされてきた。
 産業界からは「日本に不利」と不評の京都議定書だが、こと森林吸収に関しては極めて有利だ。マラケシュ合意では、国別に森林吸収量の上限を割り当てた。
 日本に認められた年間千三百万トンの上限は、ドイツの百二十四万トンなどに比べてはるかに多い。何としてもフル活用しなければならない基礎的な削減枠である。
 二酸化炭素を十分吸収できるような森林管理には五年間で関東地方の広さに当たる三百三十万ヘクタールの間伐が必要になる。年平均二十万ヘクタールずつ増やす計算だ。
 膨大な費用と人手がかかる。それを稼ぎ出すために、適切な「管理」にとどまらず、間伐材を積極的に売り出さねばならない。
 木材(用材)自給率は現在二割だが、輸入材の高騰や加工技術の進歩により二年連続で伸びている。省エネやシックハウス対策の観点からも日本の風土に適した和風建築の再評価は盛んになった。
 デザイン面でもさまざまな形状の木材を組み合わせて斬新な雰囲気を創出する「和モダン」の人気が上昇中だ。少々曲がった間伐材も、工夫次第で用途はさまざまに増えるはずだ。
 「木使い」の普及には何が必要か。需要者のニーズを素早くつかみ、環境と家計に優しい「木使いのライフスタイル」を提供できる、提案力と販売力だ。ビジネスチャンスを拡大できるかどうかが、かぎになる。
 そのためには、山主による森林組合だけに「山守」を委ねてしまう旧弊を改め、NPOなど多様な主体の参加を得て、木材の生産から商品企画、加工、広報、販売に至る、トータルで安定的な「商品」の流れを築く必要が ある。
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