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ID : 6390
公開日 : 2008年 2月18日
タイトル
バイオ燃料 食糧と競合しない道を
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新聞名
信濃毎日新聞
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元URL.
http://www.shinmai.co.jp/news/20080218/KT080216ETI090004000022.htm
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元urltop:
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写真:
 
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地球温暖化防止も大事だが、そのために食糧が高騰するのも困る。温暖化対策に役立つとされるバイオ燃料と、その原料の穀物をめぐり、世界は板挟み状態にある。
 バイオ燃料は植物からつくられる。トウモロコシやサトウキビ、小麦、大豆、菜種、木材などが原料となる。バイオエタノールやバイオディーゼル燃料が代表的だ。
 燃やしたときに出る二酸化炭素は、もとをたどれば大気中にあったものなので、地球温暖化への影響は小さいとされる。
 石油の代替品として、脚光を浴びるようになった。原油高がバイオ燃料の人気に拍車をかけている。
 負の側面も顕著になった。一つは、トウモロコシ、小麦など穀物が大量にバイオ燃料用に回ったため、価格が高騰したことだ。世界の飢餓がいっそう深刻になったとの指摘もされている。
 日本政府は、製粉会社に売り渡す輸入小麦の価格を昨年10月、10%引き上げた。ことし4月からさらに30%引き上げる。主要産地オーストラリアの干ばつなどに加え、バイオ燃料としての需要拡大も、相場上昇につ ながっている。
 米国は、石油への依存を減らすため補助金を出して穀物からのバイオ燃料生産を奨励した。この結果、穀物の値上がりにより多くの人が苦しみ、各国で社会不安が起きている、と環境問題専門家レスター・ブラウン氏 は批判する。
 デンマークは、バイオ燃料の利用と開発に熱心だったが、食糧生産と競合する開発を中止し、農業廃棄物や木材などを使ったバイオ燃料開発に力を入れることにした。
 もう一つの問題点は、原料作物の農場拡大による天然林の破壊だ。インドネシア、マレーシア、ブラジルなどで森林の伐採が加速している。農薬や化学肥料による土壌や水質の汚染が問題化している。
 森がなくなると、土壌中に蓄積されていた二酸化炭素やメタンが大量に放出され、温暖化対策には貢献しないとの指摘もある。
 タイでは水田をつぶしてアブラヤシなどを植えたため、コメ中心の旧来の農村社会が揺らいでいる。
 バイオ燃料の利用には、これらの問題解決が必要だ。デンマークのような食糧優先の考え方を広げたい。
 穀物からではなく、廃材や食用に適さない葉や茎などからバイオ燃料をつくり出せれば、食糧との競合問題は解消する。
 政府は2030年にガソリン使用量の10%相当分を国産バイオ燃料でまかなう計画だ。穀物に頼らないバイオ燃料の開発と低コスト化を着実に進めたい。
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