ID : 6278
公開日 : 2008年 2月 9日
タイトル
ステープルズ、アジア・パルプ&ペーパーとの契約を打ち切り
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新聞名
日本経済新聞
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元URL.
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/media/djBZR6450.html
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元urltop:
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写真:
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ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)事務用品小売り大手の米ステープルズ(Nasdaq:SPLS)は、世界有数の製紙会社であるシンガポールのアジア・パルプ&ペーパー(APP)との契約をすべて打ち
切った。森林破壊と地球温暖化に対する懸念が米国の大口需要家に与える影響を示す動きとなった。
ステープルズは、最近まで用紙需要の約9%をAPPから調達し、コピー用紙や事務用紙を中心とするステープルズ・ブランド向けに使用していた。米オフィス・デポ(NYSE:ODP)など米国・欧州・アジアの同業他社は、AP
Pの環境的な不正行為が疑われているのを理由に、近年同社からの購入を中止していたが、ステープルズは同社との取引を続けていた。ステープルズは、APPからの購入を続けることで、その環境に関する経歴の改善
を促すと期待していた。
ステープルズの環境問題担当副社長、マーク・バックリー氏は、先月末にAPPとの契約を解消した、と語った。ステープルズは来週、この件に関する発表を行う予定。
バックリー氏は「当社はこれ以上の契約は不可能と判断した」と述べた。その上で、環境保護に向けて「APPが積極的に前進しているという兆候は何一つみられなかった」と指摘。APPからの購入を続けることは「当社の
ブランドを大きな危険にさらす」とした。
APPの関係者からコメントは得られていない。同社は将来、木材をすべて植林でまかなうため取り組んでいるとしたものの、それまでは生産レベルを維持するため自然林の伐採が必要、としていた。
APPはインドネシアのスマトラ島でアジア最大級のパルプ工場を運営するほか、中国にも拠点を展開している。小売業者らは、APPが木材調達のため熱帯雨林を破壊し、オランウータンやスマトラゾウなどの絶滅危ぐ
種を危険にさらしていると、警戒を強めている。
新しいデータによると、代表的な温室効果ガスである二酸化炭素の排出量でインドネシアは米国、中国に次いで世界3位となったため、熱帯雨林破壊に対する懸念がここ数カ月で強まっていた。自然林や植林された泥
炭湿地で木材を伐採した後、開拓のため火をつけるのが二酸化炭素排出の主な原因になっている。