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ID : 4845
公開日 : 2007年 9月29日
タイトル
根付いた 女性の地位向上 森林復活事業 国際協力銀行の援助 インド・タミルナド州で実る
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新聞名
中日新聞
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元URL.
http://www.chunichi.co.jp/article/living/life/CK2007100102052934.html
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元urltop:
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写真:
 
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 十月六日は「国際協力の日」-。森林復活を目指した円借款供与が、結果的に現地の女性の地位向上につながった例も出ている。森林再生を図る世界的な機運の高まりで、政府開発援助(ODA)の円借款 でも途上国の植林事業への援助が増えつつある。 (草間俊介)
 円借款を供与する国際協力銀行(JBIC)によると、女性の地位向上につながったのは、インド南部タミルナド州の「森林再生プロジェクト」。一九九七年から累計で百三十三億二千四百万円の借款が供与された。
 同州は人口約六千二百万人で、ほとんどは亜熱帯の森林が広がる農村地帯。インフラ整備は遅れ、電気がない地域もあり、一般家庭の煮炊き燃料は、昔ながらの薪(まき)に頼っている。建築用材の違法伐採、家畜の 過放牧、住民が現金収入を求めて行う販売用の薪材の乱伐などで、八〇年代には森林荒廃率が45%に達した。
 森林を復活させようと、東京都の二倍相当の四十三万ヘクタール、約千二百の村を対象にプロジェクトが行われた。
 同州では薪材の採取は主に女性が行い、生活のための貴重な現金収入になっていた。しかし、国有林の無許可伐採は違法で、州森林局はそれら薪取りの女性を取り締まるのが仕事の一つだった。このため、現金収入 を求めた伐採をなくさなければ、植林の効果はあがらないと判断。住民参加型のプロジェクトが模索された。
 女性たちに植林作業に従事する機会が与えられ、平均約三百円相当の日当が支払われた。これが女性たちの新しい現金収入になった。
 加えて、ほぼ女性による十-十八人のセルフヘルプグループ(自助組織)が地区ごとに約三千六百組織された。各グループは、円借款を原資の一部にした一件あたり四千円から二万円のマイクロクレジット(無担保小 口融資)で、▽換金作物栽培▽乳牛飼育▽伝統的な工芸品製作▽商店経営-などを起業した。この起業と植林事業で、のべ十六万四千人の雇用が創出されたという。
 JBICスタッフの堀川美保さんは調査目的で何度か現地に足を運び、大きな変化を目の当たりにした。「わずかでも新しい現金収入は歓迎されていた。これまで外に出る機会が少なかった女性たちが森林管理組合、自 助組織の活動を始めて社会参加が促され、村の雰囲気が変わっていった」と話す。
 「インドの農村では女性の地位は低い。他の州政府からの視察団が、女性たちが会合で発言していたのを見て、びっくりしていたのが印象的だった」
 樹木の成長に時間がかかるため、プロジェクトによる植林再生の評価は難しいが、単純に樹木の本数を数えるサンプル調査では六割増の結果が出ている。
 JBICの林業部門の円借款供与は二〇〇〇年以降増え続け、〇六年三月時点で、インド十三件、中国九件、フィリピン一件、インドネシア二件、チュニジア一件など合計二十七件累積二千二百八十億円に上っている。++ /div++

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